第2世代BMW MINIが愛される理由

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4月、BMW MINIが我が家にやってきた。

何とも可愛らしいそのキュートな顔つきに心を奪われる。

独特の乗り味として形容されるゴーカートフィーリングとは?約10万通りとも言われるバリエーションから選ぶ1台とは?ファンにMINIが愛される理由について迫ろうと思う。

 

偶然か必然か

かれこれ1年以上になるだろうか。家族ユースの1台としてクルマ選びを始めた。

もちろんE60で十分カバーできるが、もう少し小さめの買い物クルマとして候補に挙がったのがBMW MINIであった。予算の都合で一度はニュービートルVW)も視野に入ったが、E60も快調だし今すぐの増車は不要と購入は見送った。

ところが2月に入りふらっと入ったお店でメローイエローの3ドアクーパーと出会い、翌日には前向きに話を進めたいとお願いをしていた。

個人経営の中古車屋であったが、とにかく店主の人柄が気に入ったことが購入に踏み切った理由である。そこにはアルファロメオの156や、ルノートゥインゴ、フィアットプントなどコンパクトで玄人好みの車種を揃えており、MINIの販売実績も豊富だった。アフターフォローのことなんてほとんど話題にせぬまま契約。

どこで買うかじゃない、誰から買うか。高額商品を買うときの私なりの持論だ。

偶然か必然か、クルマとの出会いやご縁は本当に不思議なものである。

 

まさにオンリーワンの1台

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その2008年式のクーパーは、元気なヴァイタミンカラーが冴えるメローイエローというカラーだ。見ているだけで活力が出てきそうなこのイエローは、マツダのサンバーストイエローに近い山吹色に似た色である。

MINIも白黒が人気で流通数も多いが、原色系のカラーもMINIのキャラクターに良く似合っていると思う。ルーフはブラックとのツートン。白屋根の可愛さよりもスポーティなカッコ良さを主張する。

 

10万通りとも言われる内外装の組み合わせの自由度は、MINIのようなカテゴリーのクルマでは大変珍しく、バリエーションの豊かさは群を抜いている。新車であれば注文時にオーナーが好むスタイルに極限まで持っていけるし、中古車であれば自分好みの1台を探す楽しさもある。

またアフターパーツやアクセサリーも豊富なので、ベース車を買ってきて自分好みにカスタマイズするのも良いだろう。

 

現在中古車サイトを見ると、3ドアが1914台。そのうち第2世代が924台。さらに黄色系で絞ると32台ヒットし、中でもイエロー×ブラックルーフのツートンのクーパーは4台であるが、ユニオンジャックが入っていたり、ボンネットストライプがあったりと、まったく同じ仕様のクーパーは1台たりともヒットしなかった。

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そしてなんとこのクルマにはCABANAのシートカバーがセットされており高級感もそこそこだ。単なる黒革、茶革と違ってパイピングにボディーカラーと合わせたイエローが差し色で入っており、これまたオツな仕様である。CABANAはディーラーでの取り扱いもしているだけにフィッティングも大変良く、センス良くまとめられた1台と言えよう。

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各所に散りばめられたMINIのアソビゴコロ

 

ダイレクトなゴーカートフィーリング

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納車日は晴天に恵まれた

MINIに乗って最初に感じるのは乗り味がかなり固いということ。

BMW全般にシャキッとした固めの乗り心地だが、そこにはしなやかさがあるのに対し、MINIはダイレクトに路面のインフォメーションを伝えてくる。一歩間違えればかなりスパルタンな乗り味になるヒリリとした雰囲気を漂わせながらも、いつまでも振動が収束しない不快な乗り心地というわけではない。オープンエアで走らすとぷすぷすとショックアブソーバーが仕事をしている音が聞こえてきて、これは他のBMW車と同じである。

ハンドリングはかなりクイックだ。乗用車にしてはゆるみや遊びが少なく、こちらもダイレクト感満載できびきびとよく走る。コーナーでは基本的にアンダーであるが、E60のノリで突っ込むとどこかにすっ飛んで行ってしまいそうだ。進入スピードさえ気を付けていれば旋回中に破綻することはなく、全般に安定した走りを提供してくれている。

またゴーカートフィーリングの演出のひとつなのかもしれないが、エンジンのメカニカルノイズは盛大だ。普段乗り慣れたクルマに比べると、どこか故障しているのではないかと思うくらいに主張してくる。特に発進時やエンジンの回転数を上げた時にぶぉ~ん!と車内に響いてきて、「一生懸命走っているよ!」と訴えかけてくるようだ。これでも第1世代から改善されたというから驚きである。ダイレクト感に富むMINI特有の走りは、まさに醍醐味であるゴーカートの走りそのものだ。

 

愛される理由

キュートなルックスとは裏腹に、硬めのサスペンションとオリジナリティ溢れる内装。

ひとたび走り出せば小気味よく元気に走り、誰でも扱いやすいボディサイズは乗り手を選ばない。キープコンセプトのデザインも誰が見てもMINIとわかるものであるし、BMW MINIが出たからこそクラシックミニの存在感も不動のものにしている。老若男女問わず愛される理由、それはアザトイくらいに可愛い強烈な個性と抜け目のないドライビングプレジャーが光っているからだろう。

最後の5ナンバーとなる第2世代MINIクーパー。さあこれからどこへ出掛けようか。

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BMW MINI 

2008年式 3ドアHB クーパー(R56)

1600cc FF駆動 120PS / 160Nm

3740mm×1685mm×1430mm