tokainorookie’s blog

やさしい輸入中古車を買って人生に彩りを🇮🇹

そのヒストリーから学ぶこと

先週マセラティを取りに行ってきた。毎回私は気さくなラテン社長との話も楽しみに足を運ぶ。クルマの話だけでなく人生相談もしてしまう。クルマが繋げてくれた縁である。

経験豊富なラテン社長はここでは書けないような武勇伝もたくさん持っている。もちろんクルマに纏わるエピソードが中心ではあるが、話を聞くたびに惹き込まれてしまう。私は何気ない疑問を投げた。

なぜ、中古のフェラーリは低走行なものばかりなのか?

この疑問の裏には、クルマの寿命として10万キロも走れないのがフェラーリなのかということである。事実中古車サイトを見れば、10万キロ超えや走不明のものはよっぽどのクラシックモデルを除いてない。それに寿命が短ければ、主要パーツの大部分を共有している愛車マセラティの寿命だって短くなる。それでは困るので自分にとっては当然の疑問だった。

入門として選ぶフェラーリ308とクアトロポルテ

Anniversary.co.

私はクアトロポルテⅤ一択で購入したのだが、社長はマセラティに初乗りするのなら4代目のクアトロポルテから入ってほしいと言っていた。宇宙一壊れるの異名を持ち、カウンタックと同じガンディー二によるデザイン。バブリーでエロスな雰囲気を持つ4代目は、ケンオクヤマクアトロポルテとは違う魅力が宿っているのだろう。社長は納車初日にこのクアトロポルテが止まり、同乗者に「おい、押せ!押せ!」なんて言いながらクルマを押した思い出があるという。

正直、故障の頻度はわからない。ただこの4代目を知っている社長に言わせれば、私のクアトロポルテはだいぶ優等生になったらしい。ちなみに社長は程度の良いアッズーロ・アルゼンチーナ色の4代目があればまた買いたいと言っていた。

 

私にとってのフェラーリ360モデナやF430だ。

F355以前はすべて同じに見えるクラシックフェラーリだし(私にとっては)、テスタロッサは違いがわかる程度。前に4シーター好きの私にモンディアルというフェラーリをおすすめされたが、まだ良さがわからなかった。

「そろそろ跳ね馬ですかね・・・?🤭」

そう持ち上げる社長に、社長お気に入りのフェラーリを聞いてみた。

275GTBに250LM。そしてフェラーリ330。

皆ミッドV8をやたら信仰するけど、フェラーリの基本はフロントV12に後輪駆動だと断言していた。そしてもし私がフェラーリを求めるとしたら、乗ってほしいのはフェラーリ308GTBだと教えてくれた。

Wallhere.com

まず大きすぎないボディサイズに丸型テール。デザインは伝統のピニンファリーナでV8フェラーリの基とも。この308は時代背景による影響で、年代によって様々仕様が異なっているらしい。中でも初期中の初期のキャブが良いとのこと。

「結婚し子供ができたり家庭を持つと、男は仕事中心から徐々にベースが変わっていく。するとどうしても自分の中にヨジレが出てきてしまう。そんな時308に乗って高速でも乗ってごらん。整えられるのヨ。大きな声じゃ言えないけど、子供やかみさんより愛おしくなってきちゃうよ。ローン通してでも乗ってほしい、その価値がある」

うんうんと深く頷きながらコーヒーをすする自分。数十年後、ラテン社長のようなイケオジになっていれば、もしかしたら308を駆る自分もいるのかもな、と想像しながら。

どうせ買うならエンツォがどういう想いでクルマ作りをしていたのか、その味がしっかりわかるモデルから入るということ。そしてそれらのヒストリーを理解できる人に是非乗ってほしいと社長の熱い思いが感じられた。

 

なぜ中古フェラーリは低走行なのか?

フェラーリは1年1万キロ走るには相当にハードルが高いらしい。簡単に言えば運転が大変だということだ。クラシックフェラーリクラッチは重くハンドルもオモステ。ドライバーがそんなに長く走れないのだとか。そして現代フェラーリにおいてはお店側の都合もあるらしく、10万キロのフェラーリを出すお店となるとブランドイメージやお店のステータスにも影響があるのだという。しかしながら、世の中には多走行のフェラーリも沢山あると言い、事実メンテナンスをしっかりやってきたフェラーリは10万キロを超えても調子が良いらしい。ここらは10万キロ超えのマセラティに手を出した私のロジックとも共通する。そして特定の年代のフェラーリはタイベル問題があり、交換にはエンジンを下すという大きな作業が伴う。扱える修理工場も限られてくることから、例えば3万キロのノーメンテ車よりもコツコツ修理交換を行ってきた6万キロ車が良い場合もある。購入後どれくらいコストをかけられるかで、程度問題は解決できる。

あまり走ってないフェラーリを高値で売って購入後メンテナンスに500万かけるよりも、履歴がはっきりしたそこそこのフェラーリを売って最低限のメンテナンスで済ます。ユーザーのことを考えたら後者の方が良いし、そういう常識を変えていくのが使命。

そう言い切る社長はやっぱりカッコ良かった。