tokainorookie’s blog

やさしい輸入中古車を買って人生に彩りを🇮🇹

ネオクラBMWの徒然

8/27発売のカーセンサーEDGE10月号は実に興味深かった。

ネオ・クラシック×BMWと銘打ち、まさに本ブログのメインディッシュとなっていたE系BMWの特集が組まれている。クリスバングル、ダビデアルカンジェリといった天才たちにも触れられ、興味のある方は是非手に取っていただきたい。

今になってわかるエンスーど真ん中のモデルたち

マセラティスタとなった今でも、街中で見かけるBMWはつい目で追ってしまう。最新型はお洒落にまとめられている感が強いが、特に2000年代初頭に出てきたモデルというのはズバ抜けて個性が強く、時代特有の品を纏う。まるでヴィンテージワインのような奥深さが出てきたようだ。もっぱら私はE46の3シリーズから入った口で、最初に手にしたBMWE90の最終型であった。その後もE系5シリーズを乗り継いでいるが、E46、E39以前のモデルというのは雑誌か映画でしか見たことがない(この世代を本誌ではBMWネオクラシック第1期としている)。

つまりネオクラ第2期後半モデルがシリーズ問わず好きで約12年乗ってきたわけだが、今まさにこの期のモデルがアツいのだという。なぜなら、程よい価格の割に巷では最後のシルキーシックスだとか、Mにおける最後のNA V8だとか、何かと希少価値をぶっ込んでくるからだ。そして先見性のあったデザインも特筆もので、6シリーズ(E63)、7シリーズ(E65)で使われた技法というのは20年経った今でもデザイン論で引用される。

 

クルマの本質がそこにある

アナログとデジタルの中間世代
内装はリビングのような落ち着きも必須である

ダウンサイジングターボや電気の潮流に積極的に乗っていった後の世代とは違い、あくまでクルマとの対話に重きを置いていたのがE系モデルたちだ。それを現代においてはクラシカルと形容されるのだが、クルマの造り込みもメーカーの本気が伺える。例えばドアを閉めてみればその低い「音」がどれだけ密閉性に寄与しているかわかるだろうし、むやみに大きくないタイヤサイズも非常にバランスの良い乗り心地を提供している。ガチッとした塊感もこの時代のBMWの大きな特徴だ。古典的なメーター周りも今となっては非常に味わい深く、いわゆる「スマホの疲れ目」とは無縁だろう。その代わり安全装備や運転支援は皆無だが。

電子化や自動に爆進む現代だからこそ、古き良きドイツ車の良さが詰まったE系BMWは今再考察されるに最も適したモデルたちなのだ。

 

不動のアイデンティティ

そんな至高の世代のBMWだが、もうひとつ付け加えておきたいものがある。BMWアイデンティティと言えるコロナリング(通称:イカリング)である。出自は2000年となるが新型が出るにつれコロナリングも形を変えた。丸から上下をカッティングしたオーバルに、その後は吊り上がったヘッドライト形状に合わせてL型やシンプルなストレートバーに変わっていく。今となっては全てのモデルで丸型は絶滅したと言っていいが、実は綺麗な正円で光るコロナリングを見られる最後の世代でもある。これは遠くからでも間違いなくBMWだとわかる造形だ。

5シリーズ(E60)の眉毛のように光るデリケーティッドライトも後世のアクティブツアラーにて垣間見れたが、やはりオリジナルのインパクトさと言ったらない。BMWといえば丸型ライトに小さめのキドニーグリルというイメージを牽引してきたが、最新型にはない純なアクとエグミを持つのがE系BMWなのである。

カウントダウンが始まった…。本誌を読んで私はそう感じた。ガソリンとか電気とかではなく絶対母数が少なくなってきているということだ。「自分にとってのビーエム」がクラシックカーと呼ばれる日もそう遠くはないのかもしれない、と。

あ~、また乗りたい。