tokainorookie’s blog

やさしい輸入中古車を買って人生に彩りを🇮🇹

今、あえて古いBMWを選ぶのは罪なのか?

現行G30が世に出てから、私が所有するE60は2世代前のモデルとなった。

10年ひと昔とはよく言ったものだが、18年前に生まれたものとは思えないくらい、そのデザインは今でも光るものがある。

他に埋もれない———。これは輸入車にとって大事なことではないだろうか。

 

装備は許せる範疇か

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これから古いクルマを選ぼうとする人は、もしかしたら装備は二の次と思っているかもしれない。カリカリの旧車であれば、オリジナルを残しあえてナビをつけないというオーナーもいるだろう。しかしある程度実用性があるセダンであれば、最低限のユーティリティは確保したくなるもの。

 

2000年代初頭に出たE60は装備の面でも不足はない。

さすがに現代の安全装備には追いつかないものの、当時の先進技術が積極的に取り入れられているのは3シリーズの兄貴分として当然の流れにしてBMWの流儀。先進であったが故に、ようやく時代が追いついた感すらある。

同世代の320にオプションで付く装備は、ほぼすべて標準と思っていただいて良い。

速度によって切れ角が変わるアクティブステアや舵角に合わせてライト照射を行うアダプティブヘッドライトをはじめ、シートヒーターや電動ブラインド等、快適装備も必要にして十分だ。

ステマチックに整理されたI Driveには、CD/MDをはじめとするラジオの他、AUX、ナビ、エアコン管理、オンボードコンピューター、Bluetooth電話を搭載。ETCはミラー内蔵の標準装備で、ブレることなく新車でも同じシステムを踏襲し続けている。CCCとCICで評価が分かれるが、使い勝手を取るなら後期最終のCICモデルをチョイスしよう。

設計思想は古くなっても、令和において現役であることに驚く。

 

コスト≠悪

ひと回り古い輸入車を手に入れるには、車体は買えても維持するコストが心配だ。

ましてや天下の5シリーズ。上質に誂えた数々の部品の集合体は、安価とは真逆のベクトルにあるのは事実だ。「ゴーン!」というゴング音とともに、チェックランプのお祭り騒ぎが起こっては、せっかくのビーエムライフも暗くなるというものである。

 

購入して2年、幸いなことにE60でそのような目に遭ったことはない。

確かに物によっては高額な部品代が来るが、日常的に故障が起こるようでは、BMWの中核をなすミドルサルーンとして失格の烙印を押されるだろう。

それに輸入車に限らず、機械モノは壊れる時は壊れる。それをどこまで許容できるか、だ。

我々が食事をし、お風呂に入り、乾燥すればクリームを塗る。生きていくために必要なことを、同じようにクルマにもかけてあげればいい。そうすれば過保護にせずとも、オーナーの期待に応えてくれるはずだ。

320iを買ったときにディーラーから言われたことだが、BMWはエンジンそのものが壊れて走れなくなる、ということはないそうだ。もちろんそれをアシストする補機類や消耗品が、自らの寿命サイクルを終えて交換することはあっても。

これに関しては、年数が経ちウィークポイントがはっきりしてきたのもプラスと言える。60系はOEM品が豊富に流通しており、うまく代用していけば工夫次第で出費も最小限に抑えられる。それを煩わしいと感じる方や、コストがかかって悪と感じる方は手を出さない方がベターだろうが、必要以上に恐れる心配はない。

信頼できるかどうか、それは街中で走っている5シリーズの台数を見ればわかる。

 

あえて古いBMWを選ぶのは罪なのか?

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結論から言うと十分アリだ。

ほのかにノスタルジックな雰囲気を漂わせつつ、乗り味は爽快。選ぶセンスがあるね、と同乗者から言われることもあるだろう。

F系のハイテクもいいが、E系のアナログ感も味わいがあっていい。古き良き、という言葉が合うかはわからないが、人馬一体のドライバーと機械が近い感じがE系にはあるのだ。

クルマに関しては、「最新こそ最良」の定義はあてはまらないと思っている。

G30が7シリーズに迫るボディサイズの中、適度なサイズでカタマリ感のある運転フィールを味わえる最後の世代だ。自然吸気の直列6気筒が神格化されつつある昨今においても、F10ではなくあえて”ロクマル”を選ぶエンスーな諸兄がいたなら、ぜひ積極的におすすめしたい。

あの特徴的なまなざしで、貴方に乗ってもらうのをジッと待っているはずだ。