tokainorookie’s blog

やさしい輸入中古車を買って人生に彩りを🇮🇹

【故障&維持費】手を出すべきか否かの実

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時代はどんどん変わっていく。もはやエコという呪縛からは逃れられず、2035年までには脱ガソリン車という流れになっている。

ここへきて低年式の3Lガソリン車に手を出すべきか否か。

故障、維持費、車検代の実際に迫ろう。

 

車両の状態

まず前述したように、私が購入したE60は決して極上車ではない。

気になった点は以下の通りだ。

 

<購入時>

・ルーフの塗装剥げ

・ヘッドライトの黄ばみ

・Bピラーの変色

・ホイールのガリ

・スカッフプレートのゴム割れ

・シフトノブの剥げ

・助手席側ランバーサポート不良

・車内のにおい

 

<購入後>

・ワイパーアームの油膜

・Aピラーの布浮き

・運転席側の内装の異音

・ダコタレザーの縮みやスレ

・リア電動ブラインドの不作動

・サンルーフチルト時の異音

・天井布の一部垂れ

 

以上の点は走行に何ら問題はなく、要するに見映えだけの問題が中心だ。気にならない人は気にならないだろう。従って必ずしも修理をする必要はないが、せっかく納車されるのにボロボロでは気持ちも盛り上がらない。残念なことに私は見た目を気にするタイプだ。購入当時で12年落ちだったので割り切る部分は割り切って、どうしても気になる部分だけお願いをして納車をしてもらっている。外装のゴム類の劣化も一部見受けられたが、水が浸入してくる等のリスクが無いと判断できたことからそのままにしてある。

機関系統は良好で一発でエンジンもかかったが、試乗はできずに納車日が初走行となった。購入時点で49,800キロ。やっと慣らしが終わってアタリが出てきた頃だ。

 

気になる箇所は可能ならDIYでやってみるのもいいだろう。見た目がシャッキリするだけでなく、レストアされた5シリーズは威風堂々とした迫力が増す。

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例えばE60の持病であるヘッドライトの黄ばみは、市販のクリーナーを使えばかなり安価にクリアを取り戻すことができる。持続期間は概ね2か月といったところだが、黄ばみや劣化が激しいと光量不足で車検に通らないことがあるので気を付けたい。また車内のにおいも除湿剤を置いておけば、4か月後には気にならなくなる。シートがフルレザーであればにおいが染み込むことはないので復帰も早い。

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当初使えなかった電動ブラインドが見事に蘇った

電動ブラインドは本体のモーターが壊れることはほとんどないが、何らかの理由で動作不良をきたすとASSY交換となるため、それだけで15万は消えることになる。だが壊れている場所がプラスチックパーツの劣化であれば、必要なクリップをeBayから個人輸入するのも手だ。送料はかかるが部品代700円ほどで豪華装備が蘇る。

 

故障歴

低年式の5シリーズが故障するのか否か。もちろん個体差もあるが、私の場合は購入前の心配が杞憂だったほど故障がない印象だ。それでも次のことがあった。

 

・エキセントリックカムシャフトセンサー不良(10万円)

イグニッションコイル不良(1万1800円/本)

 

どちらもエンジンがかからないフケない症状が出る。特有の故障というより消耗品の範疇だろうか。購入して丸2年、入庫したのはこの2回だけだ。

 

その他備忘録としてメンテンナンス関係をまとめると、

オイル交換は毎回6.5Lほどの交換となり、和光ケミカルの4CT-Sを使用。エレメント込で1万7300円。ワイパーはBOSCH エアロツインに交換しセットで3980円(丸2年使用継続中)、スパークプラグは3680円/本、バッテリーはAGMのVARTA製を選んで2万2600円、タイヤはPIRELLI製のDRAGON SPORT(245/40R18 97Y XL)1万910円/本である。

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電子キーが差し込めなくなることがあった。キースロットの交換で1万8300円

また化粧直しで行ったのが運転席側のドアトリム付け直し6000円、Aピラー内装左右張替えで8800円だった。アッパーミドルセダンである5シリーズの名に恥じないように乗るには、このくらいは必要だった。

点火系統などはその性格上メーカー純正品を選ぶのがベターだ。他のものはOEM品などでも良く、インターネットを使えばディーラーの3分の1くらいで済むこともある。

 

通勤快速の530i

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clubmini.jp

年式相応に劣化が見られた個体だが、走りは快調である。年間21000キロを走行する中でほとんどは通勤であるが、燃費は10.7km/lをマークする。都心部の渋滞に巻き込まれると8km後半となるが、10・15モードが9.4km/lと考えると実燃費として上出来だ。525iが8.8km/lと公表されているので、530iの方が燃費が良いことになる。

前に高速道路を走って目的地で満タンにしたところ、オンボードコンピューター上で走行可能距離が1200キロ台を表示したことがあった。70Lタンクなのでリッター17~18km走っている計算である。条件が良いと一般道でも14km/lを表示することもあり、びっくりするほど燃費が悪いわけではなさそうだ。

 

ガソリン代は年間平均で2万5500円/月である。保険や維持費を含めた1日の通勤では往復1200円程度となる。

 

シルキーシックスを積んだ530iは上質に躾けられた通勤快速だ。一度火を入れてやれば4~50分は運転をするため、距離は伸びるが機関系統はすこぶる快調。まさに本国での使用と同じような環境でエンジンにもやさしいという(販売店談)。またオイル交換時期もカウントされていくが、こちらも同様に伸び続けている。オーナーの運転特性をCPUが学習しデータに反映させている。幸いにもクルマにとって優しい環境が私にはあったようだ。

 

第一関門の車検クリア

購入時に”検なし”だったので、丸々2年車検がついてきた。前の3シリーズではディーラー車検で毎回30万円程度。どれくらいかかるのかドキドキだったが、今回購入後初の車検だったこともあり販売店に持ち込んだ。内容は以下の通りだ。

 

重量税 4万5600円

強制保険 2万10円

 

推奨整備として

エアフィルター交換 8540円

他印紙代や整備、テスター代が含まれ

合計14万1884円

 

オイル交換サービスも入ってディーラーの約半分で上がってきたのだ。ビクついていた私にとってこれは嬉しい悲鳴となった。ディーラー整備は主に予防整備の色が濃い。次回の車検までノーメンテナンスでいけるくらい部品を交換しまくる。いや、これは本来のあるべき姿だ。運転者に迷惑がかかったり事故が起きないよう、手厚く看護するのだ。

一方で、壊れたらそこを交換しようというスタンスに徹すれば、驚くほど安く(?)ミドルセダンを維持することも可能だ。結果的に3シリーズよりもメンテナンスのかかる5シリーズを今所有していて、これまでのコストは3と同等かそれ以下におさまっているのが事実だ。

 

E60購入ガイド

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さあここまで低年式5シリーズの実態がわかってしまえば、買うのに躊躇もしまい。ましてや信頼のドイツ車だ。安心して個体選びに繰り出そう。最後に老婆心ながら、E60購入時の注意点をいくつか紹介する。

 

1.可動部分はすべて動かす

内外問わず、動かせる箇所はすべて動かしてほしい。走る重責から逃れていた個体というのは得てして冬眠状態の熊である可能性が高い。これによりグリスが固着して可動が渋くなっていたり、開け閉めがスムーズにいかないことがある。ドアミラーをはじめ、ボンネットやトランク、ドア、サンルーフ、室内のリクライニングやスイッチ関係など、ありとあらゆるものを動かし異常がないことを確認する。

 

2.エンジン内及び下回りのチェック

BMW全般としてオイル漏れやオイル滲みは必ずチェックしよう。またエアコンホースが白っぽくなっているのも注意が必要だ。同時にエンジンをかけてフロストマーク(ACボタン)を押してみる。エアコン使用時に異音が聞こえてこないかチェックをする。他にホース類に飛び散った水跡がなければまずは安心だろう。Xシリーズ以外の車種は車高がノーマルでも低いため、下回りも錆や大きな擦り傷などがないか確認しておく。

 

3.整備歴を確認する

目で見てわかる外装の劣化は綺麗であるに越したことはない。バンパー類などの塗装であれば概ね5万円(ディーラー10~20万円)くらいが相場だ。ホールのガリ傷も1本1万円前後が相場となり、どうしても気になるようなら修理を依頼しよう。あまり神経質になる必要はないが、できれば消耗品関係はいつ交換されているのか、お店の人に聞いて欲しいところだ。ミッションオイルやフルードをはじめ、持病であるアクティブステアの故障歴なども重要だ。これらはある程度把握をしておくことで将来への見通しが立てられる。またタイヤ1本をとってみても標準仕様でランフラットタイヤにするなら軽く16万円は覚悟したい。納車後に交換となると大きな出費になる。

平成30年の5月にはブローバイガスヒーターのリコールが出ている(リコール外-2623)。こちらも確実に実施されているか確認しよう。

 

スポーティーでありながら大人4名が快適に移動でき、かつ独自の個性を持つエクステリア。シルキーシックスという響きと共にクルージングに出かければそこには上質空間が待っている。1回の通勤でこれが1200円で楽しめるとなれば、私にとってはまさにベストバイな1台であった。

ハードルは思ったよりも低い。さあ素敵なビーエムライフを送ろう。